薬に頼らない!こころと脳の処方箋でママがわが子の世界一の味方になる - バックナンバー
「学校では問題ありません」が、いちばん見えにくかった
配信時刻:2026-09-30 22:20:00
◯◯◯さん
わが子の診断に納得できない
発達凸凹キッズのママが
薬に頼らずわが子を伸ばす!親子の未来を創る発達診断
「ママカルテ」主宰
小児科医の森博子です!こんばんは。
今朝も
ママの「ワタシ時間」へようこそ。
前回のメールまで、
子どもの「行きたくない」の手前には
いろんな理由があることを
お話ししてきました。本人にも理由がわからない子。
理由はあるけれど、
安心できるまで話せない子。そして前回は、
言葉になるより先に
カラダが「しんどい」を
教えてくれていた子のお話でした。今日は、
また少し違う
「行けない」の始まりを
お話しします。それは、
学習や集団生活の「できない」から
始まる「行けない」です。ある小学生の男の子がいました。
小さい頃から、
大人の前では
なかなか言葉が出ないことがありました。だけど、
仲のいいお友達とは話せる。
小学校に入ってからも、
大きな友達トラブルはない。
授業中に大きく荒れることもない。
学校では、
むしろ頑張れる子でした。
だから、
学校から見ると、
それほど大きな問題は
見えていなかったんです。ところが家では、
まるで別人でした。思い通りにならないと
大きく怒る。やりたいことがあると、
今すぐやらないと気がすまない。ゲームやYouTubeから
なかなか切り替えられない。そして、
宿題になかなか取りかかれない。ママが困っていたのは、
この
「外ではできるのに、家ではどうして
こんなに崩れるんだろう?」というギャップでした。
そこで、
この子が学校で
何を頑張っているのかを、一つずつ見ていきました。
すると、
「学校では問題ない」
の中に、
たくさんの負荷が
隠れていることがわかりました。たとえば学習。
・漢字を覚えるのが難しい。
・細かい部分を間違える。
・九九がなかなか定着しない。
・単位などの概念が
わかりにくい。だけではありませんでした。
詳しく見てみると、
・文章を読む
・書く
・計算する
・考えて答えを出す
・そして、
自分の考えを言葉にして伝える。学校で毎日当たり前のように
求められていることの中に、この子にとって
エネルギーをたくさん使うことが、いくつも重なっていたんです。
そして知能検査を見てみると、
この子は、
「考える力がない子」
ではありませんでした。目で見て考える力も、
一時的に情報を覚えて
考える力も、作業するスピードも、
年齢相応に持っていました。
でも一方で、
言葉の意味を理解する。
自分の気持ちや状況を言葉で整理する。
理由を説明する。
ここには、
少し大きなエネルギーが
必要な子でした。これって、
学校生活を想像すると
かなり大きなことなんです。学校では、
・先生の説明を聞く。
・指示を理解する。
・教科書を読む。
・問題文を理解する。
・ノートに書く。
・わからなかったら質問する。
・友達と相談する。
・先生に自分の考えを伝える。
そして
・みんなと同じタイミングで
次の活動へ移る。こうしたことを、
朝から何時間も
繰り返しています。一つ一つなら
できることもある。だけど、
「できる」
と
「負担なくできる」
は違うんです
ここが、
低学年の子どもたちを見るときに
とても大事なところです。この子の場合、
さらに感覚の刺激や、
人がいる場での緊張、
切り替えの難しさも
重なっていました。だから、
学校ではなんとか頑張れても、
家という安心できる場所に帰ると、
それまで抑えていたものが
一気に出てくる。怒る。
動き回る。
切り替えられない。
宿題を嫌がる。
大人から見ると、
「わがまま」
「やりたくないだけ」
「ゲームならできるのに」
と見える行動も、
もしかすると、
その日一日を頑張った脳が、
もうこれ以上は無理だよ
と教えていたのかもしれません。
私は、
低学年の登校しぶりを考えるとき、
「学校で何か嫌なことが
ありましたか?」だけでは足りないと思っています。
なぜなら、
何か一つ、
大きな嫌な出来事が
あるとは限らないから。読む。
書く。
聞く。
考える。
話す。
待つ。
切り替える。
みんなに合わせる。
一つ一つは、
大人から見れば
小さなことかもしれない。だけど、
その子にとって負荷の大きいことが
毎日いくつも積み重なれば、ある日、
「もう行きたくない」
になることがあります。
だから私は、
「行きたくない」と言い始めてから
理由を探すだけではなくその前から出ていた
「この子には、学校の何が
ちょっと大変だったんだろう?」を見つけてほしいと思っています。
宿題になると荒れる。
帰宅すると別人になる。
朝の準備が進まない。
日曜日の夜になると機嫌が悪くなる。
学校の話をしたがらない。
「別に」
「わからない」
としか言わない。
そんな小さな変化も、
ただの困った行動ではなく、
子どもの脳から届いている
情報なのかもしれません。そして今日、
一番伝えたいのはここです。
==============
「行けない」は、
学校に行けなくなった日に
始まったとは限らない==============
そのずっと前から、
子どもは、
自分なりの方法で
教えてくれていることがあります。だから、
行けるようにする方法を
探す前に。まず、
「この子の場合、
学校の何に一番
エネルギーを使っているんだろう?」と見てみてください。
低学年の行きしぶりや不登園・不登校は、
「こうすればいい」という
一般論だけでは語れません。同じ
「学校に行きたくない」
でも、
その言葉の奥にあるものは、
一人ひとり違うからです。
だからこそ、
行けるようにする前に
“この子の場合”を
知らないと始まらない。私はそう思っています。
明日は、
5日間の最後の一人の
「行けない」をお伝えしてここまで出会った子どもたちの
「行きたくない」の奥にあったものを
一緒につないでみたいと思います。
それでは
今日も頑張ったあなたへ。おやすみなさい^^
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