「教師の転職相談室」メール講座 - バックナンバー
【(覚書) 岩手のいじめ自殺の件】「教師の転職相談室」メール講座
配信時刻:2015-07-10 15:00:00
- 【(覚書) 岩手のいじめ自殺の件】「教師の転職相談室」メール講座
こんにちは!
「自分らしい働き方」を支援する、教師の転職コンサルタント藤井秀一です。
いつもありがとうございます。
とてもいたましい中学2年生のいじめ自殺・・・・。
多くの方々から意見を求められましたので、私見をまとめておこうと思います。
長文ですが、何とぞご容赦くださいませ。
-取材に応じた生徒は
「(担任が教室とは)別の部屋に連れて行って叱っているのを何度か見た」と話すが、
グループの態度はその後もあまり変わらなかったという。-
(読売新聞 2015年7月9日)
-ある生徒は担任について、
「優しくて、いい先生だった。生徒から慕われ、相談にもよく乗ってくれた」
と取材に答えた。-
(同記事)
岩手県でいじめを苦にした中学2年生の自殺があり、毎日のように報道されています。
すべての報道を把握しているわけではありませんが、私は違和感を強くしています。
どの番組でも担任一人だけを悪者にしていますが、着眼が浅すぎると思うのです。
背景に構造的な、あるいは組織的(集団的)な学校の問題は存在しなかったのか。
現場を見ていない自分としてはすべてが憶測となりますが、いろいろ考えています。
多くの友人たちや若者たちから、この件について意見を求められました。
本来、部外者である私が口をはさむ筋合いではありません。
しかし、いくつかの危惧を感じているので、あえてここに書き留めておきます。
真実は当事者のお二人だけが知っている。
そのことを理解した上での覚書です。
文部科学省は、こう言っています。
「全国的に制度の運用状況について検証が必要と考えている」
そんな浅い考えではなく、もっと現場の真実を深く追求してほしい。
今からここに書く内容について、検証以前に真剣な調査が必要だということです。
(違和感1)担任の対応
いじめの事実を把握してから、ある程度の時間が経過している。
また、いじめグループに対する必要最低限の初期指導が行われていた事実がある。
しかるに学校管理者への報告をしていなかったことは、たしかに問題。
死なせてしまった以上、対応が正しかった(あるいは許容範囲)と言える理由がない。
だが、「報告しなかった」のか、「報告できなかった」のか、その点に違和感が残る。
考えるべきは、『なぜ報告が校長や上司、同僚に届かなかったのか』である。
普通に考えれば、この状況で上司に報告しないなど、あり得ないからだ。
(一人で抱え込むことの方が、はるかにつらいはずである)
報告しなかった事実をあげつらって担任への悪口を並べても、何も解決しない。
(違和感2)校長の反応
記者会見における校長の反応や説明には、不可解な点が感じられる。
まるで他人事のような口ぶり、「報告ありき」で現場を管理しているような印象を与える。
校舎内の巡視や監督を行っていなかったのか。
平素から各教員への面談など実施していなかったのか。
そうだとすれば、ただの書類処理係でしかなかったことになる。
端的に言えば、あの会見からは『当事者意識』が見えてこないのである。
担任教諭に対するあの突き放した姿勢からは、強い違和感を覚えさせられる。
(違和感3)職員室について-1-
これだけの騒ぎであり、担任はいじめグループに対して、別室指導まで実施している。
本当に『どの教員も知らなかった』のだろうか。
担任に対するいじめやパワハラ、嫌がらせがあったのではないかとも思えるフシがある。
この担任教諭が、他のどの教員にも相談しなかった理由を考えなくてはならない。
いや、『相談できなかった』可能性はないのだろうか。
「お前はクラス管理ができていない」「お前のクラスは問題ばかり」「お前は指導力がない」
内実を無視して、こうしたパワハラ発言をしていた上司や先輩教員はいなかったか。
周囲からの非協力的な姿勢、あるいは暴言による担任いじめは存在しなかったか。
担任がその恐怖から、他の教員に相談できなかったとしたら?
もしこれが事実と仮定すれば、担任教諭も今、とても危険な状態にいることとなる。
私が最も危惧するのは、このイマジネーションが現実ではないかということだ。
ただし、全教員が目の前の事務作業に忙殺され、気付けない環境だった可能性は残る。
ついでに書いておくが、パワハラ教員には、自分自身に対するバカバカしい誤解がある。
強権的に生徒を抑圧し、表面的に「無難な状況」を作り上げ、クラス管理がうまいと自負する。
こんな指導は指導とは呼べず、ただ恐怖政治を敷いているだけのナルシストである。
そして、それができない教師に対しては、「お前はだらしない!」と怒鳴りつける。
そんな教師が現場にいなかったか・・・私はその危惧を持っているのだ。
『問題』というものは、どんなに優れた教師のクラスでも必ず発生するものだ。
教職は問題にフタをすれば済むような、安直な仕事ではないのである。
(違和感4)職員室について-2-
当該生徒の日誌を見る限り、その文字・文脈・誤字から、私にはある考えが浮かぶ。
もしかしたらこの生徒は、何かしらの配慮を必要とする特性を有してはいなかったか。
このように仮定すればの話だが、それがいじめの理由となった可能性もないとは言い切れない。
そうだとすれば、当然、他の教員たちも気にして見ていたはず(気付くはず)である。
いや、いじめを予見することは容易だった可能性さえ否定できない。
その仮定の上で、気付かないとすれば、かなり鈍感な教師集団ではなかったかとの思いがある。
そもそも、これだけの期間を有するいじめ事案に、教員が誰一人として気付かないのは不可解。
担任教諭はいじめグループに対する別室指導まで、繰り返して実施しているのだから。
第三者的立場の生徒から聞こえてきたり、授業内で当該生徒の異変に気付いたり・・・。
本来ならその可能性が高く、私としては他の教員たちに対する違和感を強くしている。
その裏付けとして、次の項目にもう一件、私見を書き留める。
(違和感5)交換していた日誌の件
どのテレビ局でも、担任一人だけを悪者として報道している感がある。
しかし、採り上げ方に不備があり、重大な事実が指摘されていない。
当該生徒は6月28日、日誌にこう書いている。
「ここだけの話、ぜったいだれにも言わないでください」
こう前置きしてから自殺をほのめかしている。
この記述は何を意味するのか。
一つは、担任だけを信頼していた可能性が高い(最後の砦)ということだ。
事実、少年は6月29日、最後にこう書いている。
「ボクがいつ消えるかはわかりません。ですが、先生からたくさん希望をもらいました。」と。
そして、「感謝しています」と続けているのである。
この担任だからこそ打ち明けることができた、との見方も可能なのである。
この点には、どのテレビ局も深く触れていない。
もう一つは、「ぜったいだれにも言わないでください」の言葉から容易に推察できることだ。
他の教員たちを信頼していなかったか、あるいは頼るつもりがなかったという事実である。
担任で埒が明かないと考えたのなら、当然、他の教師に相談してもおかしくない。
当事者である二人にしかわからない、特殊な信頼関係の構図が成立していた可能性もあるのだ。
ちなみに家族に伝えなかったのは、心配させたくないという当該生徒の優しさに他ならない。
ある特定の一日だけ、それも一文だけを採り上げて議論することは、判断を誤るもととなる。
『交換日誌』である以上、そこには日数・期間・回数・やりとりを重ねた『文脈』があるのだ。
行間まで読まなければ、真実は見えてこない。
そして、日誌には書かれていないが、当事者間での直接対話も重ねられているのだ。
もし当該生徒が他の教員たちを信頼していなかったとしたら?
担任は最後の頼みの綱であり、「この先生でも解決は無理なのか」と絶望した可能性がある。
(違和感6)アンケートの実施時期
学校行事の日程は前年度中、または遅くとも年度開始前後に確定する。
その際、なぜ年3回と決まっているアンケートの実施時期を考慮しなかったのか。
いじめ新法発布の直後と言える段階である(履行安定期間にまだ入っていない)。
本来なら、学校管理者はその実施を優先させるべき思考が必要だったはず。
それなのになぜ、行事を理由として後回しにしていたのか。
可能性は二つ。
一、現実的に実施する時間が取れなかった可能性。ただし、きわめて現実的ではない。
一、いじめに対する意識の低さ、または危機感の欠如や低下、あるいは内政的な別の理由。
これについては校長を含む全教職員に聞くよりほか、事実の確認ができない。
(違和感7)文部科学省の発言
文部科学省の担当者は、こう言っている。
「全国的に制度の運用状況について検証が必要と考えている」
いったい何を考えているのか。
これまでもいじめ自殺は繰り返されてきたが、何の反省も生きていない。
この期に及んでもまだ『制度の実施方法』だけにしか問題意識を持っていない。
アンケートの実施状況に関する問題点は、二義的なものである。
「運用状況について検証」との発言は、本質から焦点がズレているとしか言えない。
最も注力しなければならないのは、アンケートを実施していなかった真の理由である。
運用サイクルだけの問題ではなく、形だけ実施させても意味がない。
これを妨げていた真の理由を探り出し、その手当をしない限り、おなじ事案がまた発生する。
職員室にいじめやパワハラはなかったか、また、教職員に噛み合わない要素はなかったか。
他にも学校側にはさまざまな「うまくいかなかった」理由があるかもしれない。
事務的な手続き、取り扱い、その手法等を真の原因であるかのように語ってはならない。
以上を整理する。
一、当該生徒が他の教員に相談できなかった理由は何か
一、担任教諭が上司や同僚に相談できなかった理由は何か
一、他の教員たちがこの事案に気付かなかった理由は何か(本当に気付かなかったのか?)
一、上長は現場の状況把握に、ふだん、どのようにして取り組んでいたのか
一、これらのことから、本当に担任教諭だけを悪者として処理できる事案なのか
一、アンケートの実施方法が問題の本質ではないことに、文部科学省はいつ気付くのか
一、そして、最も重要なのは、『なぜ解決に至らなかったのか』である
表面的な担任の対応結果だけで議論を終えてはならない。
ある特定の一要素のみを抽出して、問題の全容を語ってはならない。
なぜなら、本質を見誤り、真の原因をどこかに置き去りにしてしまう可能性が高いからだ。
・・・・・・・・・・・
ここまで、私なりの違和感について、列挙してみました。
当事者ではないので、すべてが『憶測』にしかすぎません。
しかし、これまでの経験上、こうした違和感を抱いている事実があるのです。
私も20年以上、教職の立場にいた経験がありますので。
誰か一人だけを悪者にして騒いでいるうちに、次々と別の事件が起きて忘れられていく。
したがって問題の本質にまで迫れず、表面的な議論だけで解決したかのような錯覚を呼ぶ。
桜宮の時も、川崎の時も、そして今回も、いつも変わらないのではないかという気がします。
皆様はどのようにとらえていらっしゃるのでしょうか。
私は『憶測』をもとに議論する虚しさを知っています。
ほかにもいろいろなご意見のお持ちの方々がいらっしゃることと思います。
それでも書き留めておかざるを得ない気持ちがして、こうして覚書にしました。
まずは亡くなられた生徒さんのご冥福をお祈りするばかりです。
合掌
(以下、事務的なご連絡です)------------------------------------
※お問い合わせはこちら
http://t-career.jimdo.com/%E3%81%8A%E5%95%8F%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B/
※このメール講座が不要な方(停止したい方)は、こちらまでご連絡ください。
連絡先メール:info@officemuteki.com
-「自分らしい働き方」を支援する、教師の転職コンサルタント-
☆教職歴21年のキャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント☆
藤井 秀一(ふじいひでかず)
NPO法人 日本プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー協会 キャリア教育事業部長
・プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー(R)
・認定キャリアコンサルタント
-近未来教育変革研究所-
Mobile 090-4422-3038
メール info@officemuteki.com
ウェブ http://t-career.jimdo.com/
ブログ http://ameblo.jp/pcc-fujii/
【私の使命】
仕事を苦に自殺する教師をゼロにします。
精神疾患で休職する教師を半減させます。
先生方の「未来への悩み」を解消します。
バックナンバー一覧
- 【2026-06-23 17:30:00】配信 【想定外の新年度になりましたか?】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-23 13:30:00】配信 【自己紹介と自己PRは違います】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-22 17:30:00】配信 【会員専用:企業文化を知って自分との相性を考える】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-22 13:30:00】配信 【企業研究なしのテンプレ文章はダメ】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-21 12:00:00】配信 【なかなか状況が変わらない時は】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-20 18:00:00】配信 【授業力をすぐに強化できるセミナー】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-20 13:40:00】配信 【退職理由を正直に書きすぎないこと】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-19 17:00:00】配信 【夏休みまでに悩みを解消したい方へ】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-18 18:00:00】配信 【転職を年度替わりに縛り付ける損失】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-18 12:00:00】配信 【独立起業した理由と意外な驚き】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-17 12:00:00】配信 【 「教えることが好き」 で終わらせない】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-16 18:00:00】配信 【会員専用:想転職サイト以外の情報源も活用しよう】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-16 12:00:00】配信 【転職書類:抽象的な表現を避け具体例を】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-15 18:30:00】配信 【転職書類:「私は」 を増やさない】 「教師の天職相談室」メール講座
- 【2026-06-15 13:10:00】配信 【人生最大の消せない後悔3つ】 「教師の天職相談室」メール講座