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【無思考に9月入学制を急ぐ危うさ】「教師の転職相談室」メール講座
配信時刻:2020-05-11 09:00:00
- 【無思考に9月入学制を急ぐ危うさ】「教師の転職相談室」メール講座
こんにちは!
「人生は、そして運命は、自分で作り出すことができる」
-日本から教師の自殺・うつ・過労死をなくす活動家-
教職歴21年、教師専門のキャリア・コーチ藤井秀一です。
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悪しからずご寛恕くださいませ。
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本日はフジテレビ「バイキング」にお邪魔する予定です。
おそらく12時半ごろの顔出しになるかと思います。
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昨今、学校を9月入学制に変更しようとの議論がかまびすしくなっています。
私もよくいろんな人からこう聞かれます。
「藤井さんは9月入学に賛成ですか、反対ですか」
私は最終的には9月入学に制度変更していくことが望ましいと考えています。
先進諸国の多いOECDと社会的な足並みがそろっていくからです。
将来の国益を考えれば、意義ある国際活動を進めやすくなるでしょう。
よく「【世界の標準】に合わせて9月入学に」と言う人がいますが、これはウソ。
世界の標準ではなく、「欧米に多い」というだけでしかありません。
こうした言い方は政治家が都合よく話したい時の我田引水だと私は思います。
それはさておき、先ほど私は「最終的には望ましい」と言いました。
なぜこんな言い方をするかというと、必要な条件があるからです。
国会でも知事会でも、今のところ制度変更にしか視線が向いていません。
教育現場の実務に基づいて発言する人がいないのです。
このまま見切り発車してしまえば、数々の不具合が生じることは必定です。
やるならやるで、現場の実務に何が必要か、しっかり計画を立ててほしいのです。
しかし、ここでまたくだらない書類のやり取りをしていたのでは意味がありません。
県内各地の学校から10校ほど選び、県庁の行政官を10人向かわせればよいのです。
もちろん地域事情を考慮して選出し、さまざまなパターンを想定できるようにします。
現場の先生方からヒアリングを行って、必要な資機材と仕組みを聞き出せば済みます。
どんなに手間や時間がかかっても、せいぜい2時間もあればできる仕事です。
一度に10人が無理だとしても、まさか1週間も2週間もかからないでしょう。
そうして集めた意見を基に、テコ入れする資機材と仕組みを用意すればよいのです。
もし今年中には無理だとすれば、来年に向けた準備となるでしょう。
47都道府県すべてで可能だとすれば、今年から始めることもできるかもしれません。
いずれにしても「現場の実務を度外視して始めることなどできないよ」ということです。
ただ残念なことに世の中には、『理想』と『現実』が反対語だと知らない人もいます。
理想に走って現実を置き去りにしたがる人ですね・・・誰とは言いませんが。
そこで、こんな昔話をご紹介しようと思います。(←私の作り話です)
むかーしむかし、あるところに、とても立派な市場がありましたとさ。
街のだれからも愛されたものの、何もかもが古くなって移転することになったんだと。
「でも、新しい市場には、まだまだいろんな心配事があるんじゃないか?」
「いざ移ったはいいけれど、もしかしたら商売できなくなるんじゃないか?」
そう言う人も多かったんだが、結局はこんな声が強くて移転してしまったんだと。
「いやあ、やってしまえば、それはそれで何とかなるもんじゃよ!」
ところが案の定、移転してみたら大変なことになったんじゃ。
なんと、あっちこっちで不具合が出る、猛毒が出る、不足が出る・・・
あっという間に商売できなくなってしまった人が、何人も出てしまったんじゃ。
でもな、この話の不思議なところはな・・・
その後、お代官様からもマスコミからも、どんな始末をしたのか話がないことじゃ。
そりゃあ、あれほどのことだもの。
とんでもない時間と労力とお金をかけて始末をしたに違いないんじゃが・・・
世の中っちゅうもんは、それはそれは本当に不思議なものじゃのう。
めでたしめでたし。
この昔話で気になるのは、後始末にどれだけ人手と税金を使ったのかということ。
商売が止まったお魚業者の方々は、きちんと補償を受けられたのかということです。
あるいは生活が破綻せずに済んだのかという問題かもしれません。
市場ひとつなら、体勢を立て直すことは可能だったでしょう。
でも仮に、私の住む東京の学校を例に挙げれば・・・
公立の小・中・高校と特別支援学校を合わせると2,100校以上あるのです。
公立幼稚園を加えると、2,300校を超える数です。
もし実務を度外視したまま制度変更を急ぐとしたら?
各所において、さまざまな問題が次から次へと噴出してくることでしょう。
もともと先生方は残業に残業を重ねる日々です。
後始末のために、おそらく過労死ラインを超えてしまう事例がさらに増加します。
それだけではありません。
血税を注ぎ込んで、さまざまな賠償や補償が必要となる可能性も高いのです。
(※学校には多種多様な業者さんも出入りしているため)
「地域によって学力差が生じているから、9月入学制にすぐ変更すべきだ」
こうした詭弁も多々聞こえてきます。
しかし、新型コロナ以前から、所得格差によって学力差は全国的に生じていました。
むしろ授業時間数よりも、そちらの方が格差を生じやすい大問題となっています。
一つ一つの現象を採り上げて理想論に置き換えるのは簡単です。
しかしそれは現場の実務を知らない部外者か、夢見がちな幻想家のやることです。
そして腹立たしいことに、政治も行政もその姿を体現してしまっているのです。
一部の教育家でさえも、そのファンタジーにとらわれているのが悔やまれます。
もし実務を破綻させるならば、その尻ぬぐいをするのは現場の先生方です。
また最も恐れるべきは、教育現場の子どもたちが最大の迷惑をこうむる事実です。
そのうえ、9月になれば新型コロナが終息しているという保証すらありません。
そもそも今、最も重要なことは「現場の子どもたちをどうケアするか」です。
宙に浮いた大学入試制度、停止している幼(保)小連携、子どもたちの心の傷・・・
現状では、浮ついた制度変更の議論などしている余裕はありません。
物事には手順と準備が不可欠です。
私は9月入学制に反対ではありませんが、以上の理由をもって慎重論を唱えます。
(本当は他にもたくさん理由があるのですけれどね)
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