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【ある学校嫌いの親子の話】「教師の天職相談室」メール講座
配信時刻:2021-03-08 12:00:00
- 【ある学校嫌いの親子の話】「教師の天職相談室」メール講座
こんにちは!
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「私たち親子はそもそも学校というものを信用していないんです。
小学校でも中学校でも不愉快な思いばかりしてきたので!」
それは、公立高校にお勤めの、若い男性の先生からの緊急相談でした。
クラスに学校嫌いの親子がいて、どう対応したらよいかわからないというご相談。
たしかに、ずいぶん投げやりな言い方ですよね。
遅刻・欠席を繰り返す女子生徒がいて、注意喚起のために保護者を呼び出したとか。
出席状況について解説しようとしたとたん、先のような発言が出てきたそうです。
これは相当な鬱憤がたまっていたのだろうと推測できます。
その先生から私のLINEに連絡が届いたのは、たしか、17時過ぎだと思います。
「こう言われてしまって、うまく返事ができませんでした。
そうですかと返しただけで、すぐ説明に移ってしまいました。
私はこれから、どのように対応すればよいでしょうか・・・」
親子を校門まで見送って、すぐに連絡をくれたのが幸いでした。
「まだこの時間なら、今日のうちに何とかなる」
そう考えて、次のように返信しました。
「退勤する前に、その母親に電話を入れてください。
母親が電話口に出てくれたら、次の原稿を読み上げてください。
遅くなると迷惑ですから、20時までには電話をかけましょう。
ただし、夕飯時は避けるように。」
そして、こんなスクリプトを送信しました。
「本日はお忙しい中、わざわざご足労をいただきまして、ありがとうございました。
先ほどいただいた小中学校でのお話がずっと気にかかっております。
とてもおつらい思いをなさったようですね。
同じ学校勤めの人間として、なんだか申し訳なく感じております。」
もろちん小中学校の先生だって、理由もなく厳しい言葉を出すはずがありません。
やはり女子生徒が何らかの問題行動を重ねたことは容易に想像できます。
しかしその指摘よりも先に、母親のつらさに寄り添う姿勢を見せることを考えました。
なぜかというと、クレーマー体質の方々には、ある共通点が見られるからです。
それは「私だって、私なりに一生懸命やっているのに」という思いです。
周囲から理解されない点があり、内心では自己嫌悪を感じていることが多いのです。
(注:過剰な劣等感の場合もあります)
「自分なりに頑張っているのに、いつも悪く言われてしまう」
そんな思いがあるとすれば、それはそれでつらいだろうと想像します。
さて、彼が電話で私の原稿通りに話した時、十数秒間の沈黙が流れたそうです。
そして母親が涙声で言うことには・・・
「学校の先生からそのようにおっしゃっていただいたのは初めてです。
先生のことをまだよく知りもしないのに、今日は失礼なことを言って・・・
大変申し訳ありませんでした。
小学校や中学校では、なかなか理解してもらえないことがいろいろあったので。
つい愚痴ってしまいました。」
まあ、あれを愚痴と呼ぶのかどうかはツッコまないことにしておきましょう。
少なくとも、どうやら見立ては外れていなかったようです。
「ウチでも時間と体調の管理に気を付けます。」との返事だったそうです。
あらためてその日の夜のうちに、その先生と電話で会話しました。
なぜあのようなスクリプトを送信したのか、理由を解説しておくためです。
私からはこのようにお話ししておきました。
「母親というものは、社会的には意外と弱い立場にあるものなんです。
子育てについて、旦那さんのご両親からいろいろ意見されることが多いです。
時には旦那さんからも、お前の育て方が悪いんだと言われてしまうこともあります。
会社勤めをしていれば、子どものことで休むたびに白い目で見られます。
ご近所のおばさんから子育てに余計な口を挟まれることもあるでしょう。
ママ友同士のお付き合いでは、嫌味や文句を言われる場面もあります。
子どもに問題が発生すれば、自分を責めてしまうことも多いはずです。
そして何より、自分自身の人生のために使える時間がほとんどないのです。」
母親は強いです。
どんな目に遭っても子どものためだからと考えて、いろんなことを我慢しています。
表向きは泣きたい思いをこらえて、気を張り続けていることも多いものです。
彼女にとって、学校は、もしかしたら最後の砦であったかもしれません。
そう考えたので、私は「承認」の姿勢を使ってもらうことにしたのです。
この話には、後日談がありました。
年度が替わって娘さんが無事に進級した際、その母親が意外な対応を見せたのです。
なんと、PTAの役員に自ら立候補してくれたのでした。
「私たち親子はそもそも学校というものを信用していないんです。」
あの言葉がまるで嘘だったかのようです。
当該生徒の動向を心配したその先生は、学年会議でこんなお願いをしたそうです。
「あの生徒にはいろいろ心配事がありますので、次年度も私のクラスにしてください」
もちろんそのことを親子には話していません。
でも、母親としては、担任の思いのようなものを感じ取ったのかもしれませんね。
先生が電話をかけて立候補のお礼を伝えた時、こう言われたそうです。
「先生には本当にお世話になっていますから、何かお礼がしたいと思って・・・」
クレーマーがファンに姿を変えた瞬間と言ってもよいと思います。
最終学年だったこともあり、卒業対策委員会の活動も補佐してくれたそうです。
新学年になった際、その先生への個人コンサルティングはすでに終了していました。
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