新・鴨め~る - バックナンバー
仕事ハッケン伝を見て、気づいちゃったこと
配信時刻:2013-10-07 07:00:00
- ◯◯◯さん!こんにちは!
鴨頭嘉人です(*^o^*)
▼Voicyというラジオを使って、毎朝6時頃に10分前後の音声を発信しています(*^o^*)数年前の出来事です。その日はかみさんが録画しておいてくれたテレビ番組を観てました。その番組の名前は『仕事ハッケン伝』っていうテレビ番組でタレントの人が全然違う業種に入って数日間、その仕事をアルバイトのようにやり、その『仕事の価値をお伝えする』という内容です。その回の出演者はオリエンタルラジオの中田敦彦さんでした。彼は、慶應義塾大学卒業という経歴の持ち主でお笑い芸人の中でも屈指の頭脳の持ち主です。その彼が『スタジオジブリ』で働くっていう回だったんです。スタジオジブリは映画『風立ちぬ』
の公開直前だったのですがまさにそのときに1週間働くことになったのです。中田さんが何をしたかっていうと、宮崎駿さんのところで絵を書くのでははなく…
プロデューサーの
ところにいったんです。
鈴木プロデューサーという方は
宮崎駿という天才を発掘して
世の中に広げた…カリスマプロデューサー
なんです。今回、
中田さんに任せられた仕事は…【宮崎駿の風立ちぬ
公開前の新聞一面広告】
デザインとキャッチコピーの
ライティングを任せられます!!めちゃめちゃ大役ですよねっ。
で、実際に取り掛かるんですけど、
コピーライティングの仕事
っていうのは
恐ろしく奥が深いんです。たくさん説明を書けば響くか
と言えば…響かない。
自分が伝えたいことを
書けば伝わるのかというと…伝わらない。
かといって、
ありきたりなよくある表現を使えば
響くかというと…全く響かない。
『斬新さ』と
『本質を外さない』
という矛盾の追求。そして、
ただきれいなだけではなく、
ちゃんと引っ掛かりのある
一言一句を生み出す
という矛盾の追求。
そんな『答えがない世界』
と言われている
キャッチコピーに関する仕事を…ド素人の中田さんがやる
っていうシチュエーションでした。でも、改めて
オリエンタルラジオの
中田さんって
すごいなって思ったのは…お笑い芸人だから
面白おかしく自分らしさとかを
出してやるのかなと思ったら…ガチで取り組んでいたんです。
もちろん
自分の仕事だってあるので、
テレビの仕事やラジオの仕事が
終わった夜の23時から、
コピーライティングの仕事に
取り掛かるんです!!彼は、
最初にどう考えて
取り組んだかっていうと、
「オレは素人だから、
そのコピーが本当にいいのか
どうかの判断基準は
自分の中にはない。だから、
オレの役割は
たくさん生み出し、
鈴木プロデューサーに
『これだ!』と感じてもらえるものを
揃えることが自分の役割だ!!」
そう自分で考え…
『よし!
100個のコピーを作ろう!!』
と決めたんです。
そして、
そのコピーをつくるまでの
流れもすごいなって思いました。
鈴木プロデューサーが
どういうものを期待しているのかを
汲み取ることが第1ステップ。そして汲み取った中で
たくさん揃えることが第2ステップ。という風に考えて、
鈴木プロデューサーに
質問をしに行きます。
「どんなものが
鈴木プロデューサーの
イメージにありますか?」
って。そしたら、
鈴木プロデューサーの
今までのコピーライティングの中で『あのコピーは
最高傑作!
越えられない
コピーがある』
っていう作品が
存在するコトがわかったんです!!それは・・・
次回の鴨め~るでご紹介します。嘘です 笑
そのコピーとは、【もののけ姫】
のキャッチコピーです…。「風の谷のナウシカ」
から13年
天才・宮崎駿の凶暴なまでの情熱が
世界中に吹き荒れる!!
このコピーです。
「このもののけ姫を
越えるコピーを
生み出したいんだよな~」
と鈴木プロデューサーは
つぶやいた…。
そんなメッセージを
受け取った上で…「とにかく
100個作ろう!!」
と中田さんは考え始めました。そして、
同時に打合せのときに
鈴木プロデューサーが
中田さんにいった言葉の中で
深く心に残るものがあったんです。それは、
こんな言葉でした。『1人で
生み出すものなんて
しれてるんだ。誰かと
関わっているからこそ
1人じゃ
生み出せないものが
生み出せる。
それが
面白いんだよ。』
この言葉が中田さんに
深く響いたのですが…それには理由がありました。
実はオリエンタルラジオのネタって
100%中田さんが考えているんです。
で、いつも中田さんが
自分で考えて、決めたものを相方の藤森さんに伝えて
2人でやるっていうのを
ずっとやってきていたそうです。
中田さんは…まるで、
これまでの自分の仕事の仕方を
言われたように感じたそうです。『オレ、
今まで全部自分ひとりで考えて、
やってた…。』「そうか!」
と思い、
今回は今までやってないことを
やってみようと、ディレクターと一緒に話をしながら
100個出す挑戦をしたんです。
そしてついに…自分の本業もやりながら、
見事100個のコピーを
作り上げたんです!
翌日、
作ったコピーを持って、
鈴木プロデューサーに見てもらいます。
その中でいくつか、鈴木プロデューサーから
「これいいね~」
「これ、引っかかるね!」
とピックアップされた
コピーがありました。例えば、
もののけ姫のとき、【天才・宮崎駿】
って書いてある部分があるんですが、
今回中田さんが
考えてきたコピーの中に【人間・宮崎駿 ~】
とあり、
それを見た鈴木プロデューサーが…
「これはなかった!
これはオレの中に
なかった!!」
と、何度も何度も
つぶやいていました。また、他のコピーの中に
【宮崎駿72歳の覚醒】
って書いてあり…
「宮崎駿72歳の
覚醒かぁ…。
これ!
引っかかるね~!!」
と大きくうなずきながら、
言ったんです。でも、
この日は…結論は出しません。感想を伝えるだけで終わります。
そしていよいよ
次に会う日が最終プレゼンです。
鈴木プロデューサーが中田さんにひとこと伝えます。
「だいたいね…
最後で
こけるんだよね~
みんな…。
ブレちゃうんだよ
最後の
最後になって。」
「最後でこける…って
どういうことだ?」
大きな疑問を投げかけられた
中田さんは…「いや、ここで
怯んじゃダメだ!
絶対に自分のコピーを
新聞一面に掲載してやる!!
単なる番組の企画では
終わらせないぞ。」そう自分を奮い立たせて
やり続けたんです!最終プレゼンを迎えるにあたって
考えて考えて考え抜いて…中田さんは
『ある1つの判断基準』
を持ちました。
「もし、
自分が
鈴木プロデューサーの
立場だったら、
どう考えるか?」
「鈴木さんに
なりきって
考えてみよう」
って考えたんです。
例えば、
今回の鈴木プロデューサーの
立場をお笑い芸人に
置き換えたとする。もし、
素人にネタを書かせたとして、
素人のネタをそのまま採用して…本当に自分たちが
お客さんの前でプロとして
そのネタをやるだろうか?
答えは、、、「ありえない…。」
ということは、
既に鈴木プロデューサーの中に
答えがあるハズだ。
答えは自分の中にあるんじゃない。『答えは鈴木さんの中に
ある。』
「鈴木プロデューサーの
中にある答えを
掘り出すのが自分の役割だ。
その答えを
導き出した時に
初めてOKが取れる」そう結論を出しました。
そこから、
過去の鈴木さんの言った言葉を
全て掘り起こしていき、どこが
鈴木プロデューサーが
大切にしていることなのか…。今回の風立ちぬでは
一体何が今までと違うのか…。宮崎駿のどの顔を、
どの才能を
どのように照らし出すのか…。
全てを一部の隙もなく
分析していきます。
睡眠時間も
食事の時間も
極限まで削って取り組み…
「これが鈴木さんの答えだ!
間違いない!!」
っていう答えを持って、
最終プレゼンに臨みました。「きっとオッケーと
言わせてみせる!!」そんな気迫を持って、
最終的に出来上がった
コピーを見せた時…数枚のコピーの原稿を
テーブルに広げたまま、鈴木プロデューサーが
突然切り出します。
『実はさ、オレも
考えたんだよね』
自分の考えたコピーを
出してきたんです。そのとき中田さんは思ったそうです。
『やっぱりあったんだ!
オレが思った通りだ…
答えは鈴木さんの中に
あったんだ!!』その鈴木さんが出した、
一枚のコピー…。
そこには、
こう描かれていました。
『もののけ姫から16年人間・宮崎駿、72歳
の覚悟』
「 …!!」
中田さんは衝撃を受けました。
『答えは鈴木さんの中に
あったんじゃなかった…
答えは…
オレの中に
あった…!!』
そうです、『人間・宮崎駿、
72歳の覚悟』
このコピーは…
完全に中田さんが生み出した
コピーそのものだったんです!!中田さんは衝撃を受けながらも、
鈴木プロデューサーに質問しました。
『すごく嬉しいです。
僕の中から
出てきたもので
鈴木さんがこうやって
考えてくれたことが嬉しいです。
でも、
わからないです。
最初から
僕の中から出てきたもので
作るつもりだったんですか?』
って。
その質問に対して、
鈴木プロデューサーは
こう言ったんです。『最初から、
中田くんの中から出てきた
コピーで行くと決めていたよ。
だって、
中田くんの中から出てきたもの
使わないんだったら…一緒にやる意味なんて
ないだろ。
最初から決めてたんだよ。
君から出てきた言葉を
テクニックで作り上げるって。
僕の中にはテクニックがある。
今まで何千人もの
人間と
何年もの時間を費やした
技術がある。
でも、
きみと一緒に仕事する意味は、
僕の中にないものを
作ることしかないんだ。
だから、
最初から決めていた。君の中から
出てきたものを
僕がテクニックで作る。』
そう言ったんです。この覚悟…
やばいですよね!!
で、中田が感激しながらもう
1つ質問したんです。『でも、鈴木さん。
もし僕の中に本当に
多くのお客様、
そして鈴木さんがこれだ
って思うものがなかったら…
どうするつもり
だったんでか?』
って。
鈴木プロデューサーは
笑いながら答えました。
『そんなことありえない。
もしも、
相手から引き出せなかったら…
それは
僕の負けなんだ。
だって、
僕にはそれしか役割がないから。』
って言うんです!!最初から
そう思っていたそうです。鈴木プロデューサーは
ひとつの作品に関わっている間に
何百人ものスタッフとか
クリエーターと関わるんですが、
決して混乱しないそうです。なぜか。
『自分は
生み出さないと
決めているから』
相手から生み出す
っていう役割を果たすだけだから…混乱しないそうなんです。
つまり、
『我がない』
ってことなんです。
プロ中のプロだなぁ
って思いました。僕はまだまだ甘ちゃんだなぁ
って思いました。
我がすごいありますもん。すごいありますよ。
「どうか僕の中にある答えを
みんな探し当ててくれ」
って思ってます。
だから、
まだまだ自分以上のものを
生み出してないんだなぁ
って思います。まだできてないんですけど、
アンテナは立ちました。これからの僕に
注目していてくださいねっ!!
またまた進化しちゃいます!!
最後まで読んでいただき、
ありがとうございましたっ!
◯◯◯さんへのお願い…
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